SMILE PEOPLE

蜻蛉玉丙午(KOGURE Glass Works)

人の手が生み出す、世界に一つだけの宝石

北陸を拠点に全国に笑顔を届けている生産者や職人の方の想いやこだわりに迫る「SMILE PEOPLE」。

今回お話を伺ったのは、富山県富山市でガラス工芸作家として多くの作品を制作されている林 裕子さんです。林さんは、約30年ほど前にとんぼ玉に出会い、その美しさに魅了され、工芸作家になられたそうです。今では工芸作家として日本各地で精力的に展示会を開催されていらっしゃいます。

とんぼ玉とは、古来より日本のアクセサリーとして愛されてきた穴が開いた小さなガラスの玉です。護符や装身具として昔から世界中で愛されてきました。

とんぼ玉の魅力や林さんにとってのガラス工芸品などについてお話を伺いました。

「ガラスの街とやま」から全国へ、世界へ

富山市とガラス工芸について教えてください。

富山市は、世界有数の「ガラスの街」として有名です。約30年にわたり「ガラスの街とやま」として、富山ガラス造形研究所やガラス工房を中心にガラス工芸作家の人材育成や発展に力を入れています。

富山のガラスの発端は、300年以上の伝統を受け継ぐ薬売りに由来しています。明治・大正期にはガラスの薬瓶の製造が盛んで、戦前は富山駅周辺を中心に、ガラス工場が10社以上あったそうです。そんな薬瓶の歴史から始まり、今ではガラス美術館もでき、世界中からガラスファンが集まってきます。ガラス作家にとって富山はかけがえのない場所ですね。

最も古い歴史を持つガラス美術工芸品“とんぼ玉”

“とんぼ玉”を作り始めたきっかけはなんですか。

30年ほど前に長野県安曇野市にあった安曇野とんぼ玉美術博物館を訪れた際に、展示されていた古代のとんぼ玉を見て、一目で魅了されました。その当時は、特殊なものだし、自分が作れるものだとは思っていませんでした。しかし、1995年くらいに偶然、とんぼ玉作りをやっている人と知り合い、一度体験をさせてもらったら、一気にとんぼ玉作りにハマってしまいました。

自分でガスバーナーなどを購入し、道具を揃え、図書館などでとんぼ玉について調べたり、安曇野の美術館で買った図録を見比べながら、どうしたらこんな模様ができるのか、試しながら制作することが楽しくて、どんどんとんぼ玉に魅了されていきました。

サスティナブルな工芸品

“とんぼ玉”のどんなところに魅力を感じたのでしょうか。

子どものころからダイヤモンドなどキラキラが強い宝石類にそれほど興味がありませんでした。けれども、とんぼ玉に出会った時は、「これを身に付けたい」「持っていたい」と直感で思ったんです。自分にとって、何か特別なものを感じたのだと思います。

とんぼ玉はまさに、「人の手が生み出す宝石」。世界に一つだけの宝石、宝物が自分の手から生まれることに魅力を感じています。

とんぼ玉は、太古の昔からお守りとして世界中で愛されており、大切な方への贈り物にもオススメです。
また、とんぼ玉の素材であるガラスは、4千年もの大昔からあり、いまもその当時のものが残っているんです。紐だけ交換すればずっと使い続けられるサスティナブルな素材。メガネストラップが必要なくなったら、別のものに仕立て直すこともできます。紐を変えてアクセサリーにしたり、とんぼ玉を足してブレスレットなど、形を変えながら永く身に付けられるのもとんぼ玉の魅力ですね。

林さんがつくる“とんぼ玉”の色、デザインなどの特徴について教えてください。

ガラス作品は、作家一人一人の個性がでます。私がつくるとんぼ玉の模様には、これまでの人生で自分が経験したすべてが詰まっています。子どもの頃から見て、触れて、感動してきた経験すべてが、今の私の色彩感覚などに繋がっています。私は、お寺やお茶などの日本文化が好きで、小学生の頃から大人になるまで通算20年以上、お茶を習っていました。茶道具やお花など触れたもの、感じたものが作品に表現されています。そのため、海外のガラス作家から、「同じガラスを使っているのに、どうしてこんなに日本的なデザインになるのか。」と驚かれます。

しかも、海外製とは異なり、床に落としても割れないほど丈夫なのが特徴です。丁寧に制作している証拠です。

目元を彩る、あなただけの“とんぼ玉”

“とんぼ玉チャーム付きストラップ”を作られたきっかけはなんでしょうか。

年を重ね、次第に老眼鏡が必要になりました。常に持ち歩くわけでもないため、メガネストラップを探していたのですが、市販のものは華奢なキラキラチェーンなど女性らしいデザインが多く、自分好みのものが見つかりませんでした。当時、すでにとんぼ玉作家として作品を作っており、『自分好みのものを作ってみよう。』『シンプルな紐に、小さいとんぼ玉なら付けれるかしら。』など試行錯誤し、制作。15年経った今では、バリエーションも豊富になりました。

とんぼ玉が付いているだけで存在感があり、目元がさりげなく彩られ、鏡を見るのが楽しくなるアイテムです。女性らしいデザインが苦手な方や遊び心があるデザインが好きな男性にもオススメです。
購入された方からは、「鏡を見ると自然に笑みがこぼれ、テンションが上がる。」と言っていただき、とても嬉しかったですね。購入された方が、贈り物用としてリピート購入されることが多いですよ。

とんぼ玉付メガネストラップ 柳色 (装着イメージ)

とんぼ玉は、一つ一つ手作りのため、全く同じデザインは生まれません。唯一無二の作品です。それが魅力で、組み合わせ次第でいろいろなものに仕立てられます。
『とんぼ玉チャーム付きストラップ』も、国産の丈夫な材質の紐を使用していますが、劣化したら新しいものに変更できます。もちろん、ストラップやネックレスに仕立て直すことも可能です。とんぼ玉は、金属のようにメッキがはがれることがないので、いつでも新品同様に蘇ります。

千年先も残る作品を作り続けたい。

“とんぼ玉”の今後について

私が作っているとんぼ玉は、床に落としても割れないとても丈夫なもの。捨てなければ、千年、2千年先も残り続けます。
だから、作るときは、いい加減に制作するのではなく、『このとんぼ玉が千年先も残してもらえるくらい価値があるものを作らなければいけない。』という気持ちを込めて作っています。

小さな玉を連ねて装身具にする作品が好きです。数年前から、うちの工房ゆかりの若い作家たちと協力して「KOGURE Glass Works」というブランドを立ち上げました。自分の玉だけでなく、みんなが作った玉たちを繋いで一つの作品にまとめるのは、また一味違う楽しさがあります。誰も見たことがないような緻密なデザインのものが、例えば千年先に発掘され、どんな時代のどんな人が作ったんだろう。と、その先も残っていくような作品が作れたら楽しいですね。自分がこの世にいなくなっても、自分が作ったものが世界中のどこかでずっと生きていくのかな。と思うとワクワクします。

とんぼ玉について語る林さんは、とてもイキイキとしており、目も輝いていました。とんぼ玉を愛し、制作を心から楽しんでいらっしゃるのだと感じました。
林さんの作った作品は、『大切にしたい宝石』としてこれからも永く愛され続けることでしょう。ガラス作家の手によって作られる、世界にたった一つの宝石。あなただけのとんぼ玉を身に付けてください。

蜻蛉玉丙午(KOGURE Glass Works)

日本製の最高品質のとんぼ玉を制作するガラス工芸の工房。とんぼ玉体験も定期的に行っており、ガラス工芸品の普及にも貢献。 林さんが手がけた作品は、繊細なデザインが多く、全国各地で展示会を開催する人気ガラス作家です。
NOTOteMAでは、「とんぼ玉付きメガネストラップ」を4種類販売中。

購入はこちら

(取材/株式会社Asian Bridge、撮影/トナミユキコ)

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