ローカルプロジェクト
石川県中能登町から挑む、復旧・復興支援の拠点となる宿づくりへ
1月1日に発生し、大きな被害をもたらした令和6年能登半島地震。被害が色濃く残るなか、石川県で新たな挑戦に取り組んでいる方がいます。
今回ご紹介するのは、能登半島の付け根にある石川県鹿島郡中能登町にて、古民家の宿・カフェをオープンするべく準備を行っている、中能登町地域おこし協力隊のmiiさんこと、南谷愛美さんです。
空き家だった古民家を改修し、壁・天井の解体、床づくりと、ご自身でDIYを進めている最中、震災により被災。古民家も甚大な被害を受けましたが、国や県からの義援金は被害の大きい6市町に配分されることになり、中能登町はその対象に含まれませんでした。現在は、復旧支援者が安心して泊まることができる支援拠点として宿を活用するべく、急ピッチで開業準備を進められています。自身も被災しながらも、震災復旧・復興を加速化させるために、覚悟と想いを持って宿づくりに挑む姿を紹介します。
■伝統工芸品「九谷焼」の魅力を発信する、宿・カフェづくり
miiさんは、2023年に約20年住んだ石川県金沢市より中能登町へ移住。地域おこし協力隊として、空き家バンクで見つけた古民家を、みんなが集える宿やカフェに生まれ変わらせるために、DIYをしながらリノベーションを進めてきました。
もともと金沢で陶芸教室を行っており、独学で九谷焼の絵付けを学んできたというmiiさん。これまでの経験を活かし、能登の自然豊かな食材を使った料理を九谷焼の器で提供し、長い時間をかけて受け継がれてきた伝統工芸の素晴らしさを伝えていきたいという想いがありました。
自分達でできるところは自ら補修・整備し、3年かけてゆっくりと完成させていく予定だったところ、今回の震災被害に遭いました。
■震災の爪痕がいまだ残る中能登町
明治〜大正時代まで小学校として活用されていた古民家は一般的な建物と比べて柱が硬く、なんとか倒壊は免れましたが、内部の破損状態から「全壊に近い状態」との診断が下りました。窓や障子は揺れにより破損し、地震による液状化の影響で地盤が緩んでいることもあり、大規模な補修工事が必要となります。
3月中には、断熱材を使用して壁や床を完成させる予定でしたが、今回の地震の影響により、次に工事を行うはずだった場所には、手つかずで資材が置かれたままとなっています。
■復旧支援者の拠点を作り、一刻も早い奥能登復興を目指す
中能登町は、被害の大きかった奥能登地域まで車で片道1時間半と、支援拠点として非常に適した立地です。
しかし残念ながら、中能登町には支援者が宿泊できる宿が圧倒的に足りておらず、数少ない宿にも復旧支援者が殺到し、その宿の運営にも大きな負担がかかっています。今もなお奥能登へと続く道は渋滞しており、宿が足りていないため、復旧支援者のなかには、3日間車中泊を続けている方もいるそうです。
「大きな被害を受けた奥能登を一日でも早く復旧・復興させるためにも、安心して泊まれる宿を整備し、支援者を送り出せる拠点を作りたい。また、被災後、不安を抱えながらも奥能登地方に住んでいる方達を受け入れたい」と、miiさんは宿オープンに向けて早急に準備を進めています。
現在は、震災で壊れた箇所の建て直しや土壁などを補修するべく、クラウドファンディングに挑戦されています。
募集終了まで残りわずか。クラウドファンディング期間中は、miiさんに直接応援の声を届けることが可能です。
一日も早い震災復興を目指し、宿づくりに取り組んでいるmiiさんへの応援をどうぞよろしくお願いします。