SMILE PEOPLE
株式会社ぶどうの木
地域でみんなが笑顔になるぶどうの森をつくる!想いのこもったぶどうを!
北陸を拠点に全国に笑顔を届けている生産者や職人の方の想いやこだわりに迫る「SMILE PEOPLE」。
今回紹介するのは1950年からぶどう畑がスタートして、今年で72年目になる「ぶどうの森」。
菓子・飲食店が有名なこのお店は、8月に創業40周年を迎える2022年5月に、「木から森へ発展するように」との願いを込めて社名はそのままに、屋号を「ぶどうの木」あらため「ぶどうの森」に変更しました。
お話を伺ったのは「ぶどうの森」代表取締役会長の本 昌康さん。本さんは、長いあいだ地域の動物と共存し、ぶどうへの熱い想いを「今」に紡いでいます。
今回、本さんには幼い頃から向き合い続けているぶどうへのこだわりと、「ぶどうの森」の今後について語っていただきました。
※ぶどうの森とは?
ぶどう園からはじまり、現在はレストラン・ウェディング事業まで展開。
https://www.budoo.co.jp/about/index.html
ぶどうを作り続けるわたしたちだからできること
ぶどう園はいつからはじまったのですか?
私の母親が嫁に来たときにぶどうを持ち込み、1950年がブドウを植えた最初の年。
育ててきた品種はこれまで100種類以上あり、現在売っているものは70種類ほどあります。
ぶどうを市場に出ししている人たちは、こんなに多くの品種を扱うことはあまりしません。私たちのように直売している中で、珍しいぶどうがあると口コミが広がると、遠方のいろんな方にも興味を持ってもらえているのではないかと思います。
直売所は「ぶどう園もと」という名前で、株式会社ぶどうの木のはじまりの場所として、チームメンバーが大事にぶどうを育てています。
「毎年成長が一緒でないから毎年面白いし、次の年に還元できる」とリーダーの白井さんが話してくれました。何よりも楽しそうにぶどうと向き合っているのが印象的でした。
お菓子屋さんやレストラン、結婚式場まで揃う『ぶどうの森』の特徴は?
最初に、品種が多く、珍しいぶどうがあることにお客さまが喜んでくれて、それが今日につながっていると思っています。そこからお客様の笑顔がみたい、お客さまの声に応えたいという想いから現在に至ります。
ぶどうを買いに来たお客さまが教えてくれるんです。「ぶどうを買いにきたときに、ひと息休憩できてお茶をのめる場所がほしい」って。だったらそんな場所を作らないとな、と思い実際に作りました。そこからどんどんお客さまや従業員がアイデアを出してくれて、今のお菓子屋さんやレストラン、結婚式場などに広がり、今のぶどうの森ができました。
私たちは、ぶどうでいろんな形を表現しています。そのひとつがチャペルです。ぶどうを作っていることで他の人にはなし得ないことができます。お客さまにはチャペルでは室内でぶどうを見ながら、「美味しいこと・美しいこと・物語があること」を大事に過ごしてほしいと思っています。
ぶどうの奥深さに魅せられて、たどり着いた「シャインマスカット」
ぶどうを食べてくれたお客さまに何を感じてもらいたいですか?
丸い形だけじゃないいろんな形のぶどうがあり、色鮮やかで、香りもそれぞれ違います。同じフルーツですが、いろんな種類があることを楽しんで欲しいです。
今回オンラインで購入できる「シャインマスカット」ですが、初めて食べたときはすごい衝撃で、夢のぶどうだと思っています。これからシャインマスカットが最も作られる品種になるんじゃないかと思っています。
シャインマスカットの特徴は、
・味が美味しいのはもちろん
・香りがいい
・皮ごと食べられる
・種無しになる
・日持ちがよくて上手に管理すれば秋口から年末まで持つ
シャインマスカットとは?
https://www.budoo.co.jp/main/vine.html
ぶどう栽培の難しさや面白さとは?
ぶどうにはヨーロッパ系とアメリカ系の種類があります。アメリカ系のぶどうはデラウェアのように粒が小さく、ヨーロッパ系の方が巨峰など、雑種で高級。ただし雨に弱いのが特徴です。
アメリカ系の方は雨に強く作りやすい特徴があります。しかし、日本国内ではビニールハウスでの栽培が広まって、ヨーロッパ系のぶどうが多くなりました。今ではヨーロッパ系とアメリカ系の掛け合わせも多くなっています。雨を防ぐのに屋根がかかるだけで作りやすい環境になります。
育てるということでいうと、日本に元から植わっている柿は、手入れをしなくても育っていきますが、ヨーロッパ原産のぶどうは日本でそのままにしていると枯れてしまいます。生まれた土地でないところでは、わたしたちが手入れをしないと生き残れません。
同じ品種でももう少し涼しくなると色が綺麗に出たり、暑すぎると色が黒くなったりします。
実は近年の温暖化の影響で、これまでの経験が当てはまらなくなっていたりもします。
品種を変えたいと思ったら、もともとの品種と良い品種の木を包帯で継ぎ足すことによって、新しく植え替えなくても生まれ変わります。自分の好きな品種に変えていくことができる、そこがぶどうの面白いところです。
動物との共存、高齢化に対し、ぶどう農家の枠を越えた活動も
これからの未来に何を残していきたいですか?
動物との共存も大事なことだと考えており、ラシェットという直径100mくらいの農道を作りました。なぜ作ったかというと、時代と共に少しずつ耕作放棄地が増えていき、イノシシが出るようになって…。著名な先生に詳しい対策方法を聞きにいったところ、畑を丸くしてみたらいいというアドバイスをいただき、半信半疑で作ってみたところ、珍しがって人が集まっていくためイノシシが来なくなったんです。
ラシェットプロジェクトとは?
https://www.budoo.co.jp/archives/news/6139
ハウスのささがけは雨よけではなく鳥よけで、鳥に食べられないように我々は頑張らなければなりません。傷ついたぶどうは果汁がこぼれ、発酵が進み、ワインになろうとします。そうなると、木が腐っていって全滅してしまいます。屋根があり雨も降らないので本当はネットをかける必要はないが、大事にネットをかけています。
昔絵本で見ていた動物が今はこの地域で全部見ることができる。猿も、熊も、鹿も出てくる。今は、ラシェットプロジェクトにて丸いエリアを作ることによって優しくエリアを分けることができていると思います。多様性を受け入れることも大事にしていきたいですね。
高齢化が進んでいるこのエリアは耕作放棄地が増えてしまっています。今後は、耕作放棄地を使ってハーブやバラを作って香りを抽出して、ドリンクやお菓子を作れるようにしたい!もっと長生きしなきゃですね!
働いている人みんなが笑顔なのがとても印象的なぶどうの木の皆さん。
笑顔あふれるこのぶどうの森に一度訪れてみては?また遠方の方はぜひオンラインショップにて、愛情がつまった宝物「シャインマスカット」をご賞味ください。
今年のシャインマスカットの購入できる見込み期限は9月末までとなっております。
ご要望の際はお早めに以下よりご注文ください。
株式会社 ぶどうの木
1982年に創業したぶどうの木は今年ぶどうの森となって、創業40周年を迎えました。金沢の北のはずれでひっそりと営む葡萄園、そこに足を運んでくださるお客様への おもてなしの思いで生まれた小さなカフェレストランも運営している。
NOTOteMAで、「完熟!シャインマスカット」を全国に販売中。
NOTOteMAへ(取材/株式会社Asian Bridge、撮影/トナミユキコ)